消防庁の火災統計で見るエアコンの電気火災の件数・多い月と今日できる予防・119番通報の手順(2026年9月24日)
総務省消防庁の公表では、令和6年中の出火37,141件のうち「電気機器」が2,577件(6.9%)、建物火災では「こんろ」に次いで2番目の2,051件(9.8%)です(2026年9月24日取得)。月別の出火件数は12月3,772件・1月3,761件と冬季に多く、エアコンを含む冷暖房機の火災は経年劣化や清掃作業のミスが要因と公表されています。電源・配線・手入れで今日できる予防と、火災時の119番通報の手順を整理しました。
総務省消防庁の火災統計では、令和6年中の出火件数は37,141件で、出火原因別に見ると「たばこ」3,058件(8.2%)に次いで「電気機器」2,577件(6.9%)、建物火災20,972件の出火原因では「こんろ」2,654件(12.7%)に次いで「電気機器」2,051件(9.8%)が2番目となっています(消防庁「令和6年(1~12月)における火災の状況(確定値)」、2026年9月24日取得)。エアコンを含む「冷暖房機」による住宅火災は過去10年間の累積で348件と公表され、火災の要因は「不適切な使用」47%・「維持管理不良」31%と、使用者側の注意で防げる可能性が高いものが約8割です(消防庁の住宅における電気火災に係る防火安全対策検討会報告書、令和6年3月)。月別の出火件数は12月3,772件・1月3,761件と冬季に集中しているため、この記事では電源・配線・手入れで今日できる予防と、火災時の119番通報の手順を整理します。
電気火災の件数と出火原因の公表値
総務省消防庁「令和6年(1~12月)における火災の状況(確定値)」では、全火災37,141件の出火原因別の内訳は、件数の多い順に「たばこ」3,058件(8.2%)、「たき火」2,781件(7.5%)、「こんろ」2,718件(7.3%)、「電気機器」2,577件(6.9%)、「放火」2,377件(6.4%)とされています(2026年9月24日取得)。「電気機器」は火災全体の約7%を占め、放火より多い出火原因です。
- 同じ公表資料では、建物火災20,972件の出火原因の内訳は、「こんろ」2,654件(12.7%)、「電気機器」2,051件(9.8%)、「たばこ」1,721件(8.2%)、「配線器具」1,461件(7.0%)、「電灯電話等の配線」1,133件(5.4%)の順になっています
- 消防庁の「住宅における電気火災に係る防火安全対策検討会」報告書(令和6年3月)は、令和4年に電気器具類を発火源とする住宅火災は火災原因の約2割(2,018件)で、10年前(平成24年の1,504件)から約3割増加していると公表しています
出典: 総務省消防庁「令和6年(1~12月)における火災の状況(確定値)について」、同「住宅における電気火災に係る防火安全対策検討会 報告書【概要版】」(いずれも2026年9月24日取得)。
エアコンを含む冷暖房機の火災の公表的な傾向
消防庁の公表統計では、エアコン単体の火災件数は分類として設けられておらず、値は公式未公表です。エアコンは「冷暖房機」(暖房・冷房機械の本体部分。エアコンは室外機を含む)として分類され、過去10年間(平成24年~令和3年)の電気機器別の累積件数では、リチウム電池601件・電子レンジ484件に次いで冷暖房機348件が3番目に多くなっています(消防庁の住宅における電気火災に係る防火安全対策検討会報告書、2026年9月24日取得)。
- 同じ報告書の冷暖房機の事例調査(調査地域を限定した22件の分析)では、維持管理不良(経年劣化)による火災が36%、清掃や取り付けミス(作業ミス)、機器の不具合(リコール対象や接触部過熱、トラッキング等)が、それぞれ32%を占めています
- 公表された火災事例では、使用年数21年のエアコン室内機で、モーターのベアリング部のグリースの潤滑作用が経年劣化により失われ、モーターがロック状態のまま通電が継続されて短絡し出火したものが紹介されています
- 別の公表事例では、エアコン室内機の清掃作業時にエアコンクリーニング液が配線部分に浸入・残留したことで、トラッキング現象が発生し出火したもの(使用年数13年)や、エアコンの電源コードが延長改造されていたため接触不良により発熱し出火したものが紹介されています
出典: 総務省消防庁「住宅における電気火災に係る防火安全対策検討会 報告書(案)」、同 報告書【概要版】(いずれも2026年9月24日取得)。
火災が多い月の公表的な傾向
令和6年の全火災の月別出火件数は、12月3,772件(10.2%)・1月3,761件(10.1%)・3月3,634件(9.8%)と冬季から春季に多く、最も少ないのは10月の2,512件(6.8%)です(消防庁「令和6年(1~12月)における火災の状況(確定値)」、2026年9月24日取得)。令和6年版消防白書も、令和5年中の建物火災20,974件(対前年比807件増)について「月別の出火件数をみると、1月が最も多くなっており、冬季から春季にかけて多く発生している」と記述しています。
- 令和6年版消防白書は、建物火災の要因としては「こんろ、たばこ、電気機器によるものが多くなっている」と記述しています。エアコンの暖房を使い始める冬季は、出火件数全体が増える時期です
出典: 総務省消防庁「令和6年(1~12月)における火災の状況(確定値)について」、令和6年版 消防白書「5.火災種別ごとの状況」(いずれも2026年9月24日取得)。
今日できる予防(電源・配線・手入れ)
消防庁の検討会報告書は、電気器具類を原因とする住宅火災を「不適切な使用(作業不良を含む)」47%・「維持管理不良」31%・「機器の不具合(リコール対象、不適切な改造を含む)」22%に分類し、最初の2つは使用者の不注意・管理不足が原因であることから、注意喚起を行うことで火災を減らせる可能性が高いとまとめています(2026年9月24日取得)。調査地域を限定した事例調査に基づく値です。報告書から、今日できる予防を公表の注意の形のまま挙げます。
- 電源まわり: テーブルタップは許容電力内で使用し、異物が入りやすい状態で使用しない。公表の火災シナリオでは、延長コードにドライヤーや暖房機器など使用電力の大きい機器を複数つないで出火に至る例が挙げられています
- プラグ: 定期的にプラグの状態を点検し、抜けかけていないか確認する。定期的に点検・清掃する。報告書の分析では、テーブルタップの出火の約8割(清掃不良・異物の浸入など49%+接触不良などの不適切な使用29%)は使用者に起因するものとされています
- コード: 重いものを載せない、無理に折り曲げない、束ねた状態で使用しない。公表の火災シナリオでは、家具に踏まれたコードの半断線や、束ねたコードの発熱(ジュール熱)から出火に至る例が挙げられています
- 手入れ: 寿命を超過する、動作が不安定といった機器は火災の危険性があると注意喚起されています。エアコンの清掃では、エアコンクリーニング液を配線部分に浸入・残留させないことが公表事例から読み取れます。フィルター掃除で埃をためないことも、電気機器の清掃不良を減らす手入れのひとつです
- 早期発見: 住宅用火災警報器の設置位置の公表的な基準は、天井に設置する場合は壁やはりから0.6m以上離れた位置、壁に設置する場合は天井から15cm以上50cm以内、換気口やエアコン等の空気吹き出し口がある場合は1.5m以上離れた位置です
出典: 総務省消防庁「住宅における電気火災に係る防火安全対策検討会 報告書【概要版】」、同「住宅用火災警報器の取付け」(いずれも2026年9月24日取得)。
火災の初期対応と119番通報の手順
消防庁の「消防救急無線・119番緊急通報」のページでは、119番通報をすると指令員が消防車・救急車の出動に必要なことを順番にお伺いするとされ、必ずお聞きすることは、①消防車・救急車が向かう住所、②通報している方のお名前と連絡先、③その他の状況です(消防庁のページ、2026年9月24日取得)。
- 慌てず落ち着いて質問にお答えくださいと公表されています。住所がわからない場合は、近くの大きな建物や交差点など目印になるものを伝えるとされています
- 119番がつながらないときの方法として、公衆電話を利用する、近隣の方やお店に通報を依頼する、消防署所に直接駆け込む、が公表されています
- 119番がつながるかどうか確認するための119番通報はお控えいただくよう公表されています(消防で同時に受け付けられる通報数には限りがあります)
- 避難の重要性については、同じ消防庁の確定値資料で、住宅火災の死者(放火自殺者等を除く)1,030人のうち逃げ遅れが465人と最も多いことが公表されています。火災の初期対応では、通報と避難が公表的な基本です
出典: 総務省消防庁「消防救急無線・119番緊急通報」、同「令和6年(1~12月)における火災の状況(確定値)について」(いずれも2026年9月24日取得)。
よくある質問
Q. エアコンの火災は何月に多いですか?
消防庁の公表では、全火災の月別出火件数は12月3,772件(10.2%)・1月3,761件(10.1%)・3月3,634件(9.8%)と冬季から春季に多いです(令和6年の確定値、2026年9月24日取得)。令和6年版消防白書も「1月が最も多くなっており、冬季から春季にかけて多く発生している」と記述しています。月別のエアコン単体の火災件数は公式未公表です。
Q. エアコン掃除が火災の原因になることはありますか?
あります。消防庁の検討会報告書の公表事例では、エアコン室内機の清掃作業時にエアコンクリーニング液が配線部分に浸入・残留し、トラッキング現象が発生して出火したものが紹介されています(2026年9月24日取得)。テーブルタップの清掃不良やプラグの埃も火災の要因のひとつで、「定期的にプラグを点検・清掃する」という注意が公表されています。カビや臭いの原因になるエアコン内部の汚れの掃除の考え方は、「エアコンのカビの健康影響と掃除・換気の頻度の目安」に整理しています。
Q. 古いエアコンを使い続けるのは危険ですか?
消防庁の検討会報告書は、経年劣化等により機器に不具合が発生し火災に至る事例が多いため、寿命を超過する、動作が不安定等といった機器は火災の危険性があることの注意喚起が必要としています(2026年9月24日取得)。公表事例では、使用年数21年のエアコン室内機でモーターのベアリング部のグリースの潤滑作用が失われ、モーターがロック状態のまま通電が継続され短絡し出火したものがあります。出火原因の説明では、経年劣化は「機器の使用年数が10年以上のもの」とされています。
エアコンの火災予防とあわせて気になるのが、内部のカビと臭いです。自分で手入れできるのはフィルターまでで、内部のカビや臭いが取れない場合はエアコンクリーニング業者への相談が現実的な選択肢になります。セルフクリーニング(自動お掃除機能)付きの機種を検討している場合は、「エアコンのセルフクリーニングの解説」もあわせてご覧ください。
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